便器のシェア争いが面白い

便器の話で面白いものがありました。
別に汚い話じゃありません。経済や企業の話。

トイレの便器と言えば思い浮かべるのは陶器製です。
それ以外は思い浮かばないでしょう。
そしてその陶器製の便器のメーカーといえばTOTOとINAXです。

ところが今パナソニック電工が躍進して、シェア30％のINAXと並び、40％のTOTOを射程に捕らえて、現在のシェア30％なんだとか。

理由は陶器製ではなく業界初の「樹脂製」の便器を開発した事です。
この樹脂製のトイレ「アラウーノ」で大躍進しています。
アラウーノは強度を補強した有機ガラス系樹脂で一体成型されていて、家電製品と同じで金型で作る為に寸法の精度が高いそうです。
なので便座と便器のスキマが出来ない。
そして樹脂製は水垢の輪ジミが付きにくいんだそうです。
ここがミソ。

もう一つよくそうで開発した微細な泡の発生技術を使って液体洗剤を便器の内側に流し込んで、便器が自動洗浄する仕組みを作ったんだそう。
これで2･3ヶ月はブラシ掃除不要の便器ができました。

なるほど確かに言われて見れば今まで樹脂製と言うのはなかったです。
そしてその樹脂製のメリットに新しい技術を加えて商品を作ったと。
それで一気にシェアが2強のTOTOとINAXに並んだわけです。

これはなかなか面白い。

なぜ今まで樹脂製がなかったんだろうと思いましたが、強度や技術的な問題もあったんでしょうが、もともと陶器のメーカーだけに樹脂にすると粘土の成型やそれを焼く窯など、今までの人員や設備とまったく違うので切り替えもむずかしかったんでしょうね。
これからはもっと別のいろんな素材の便器が出てくるかもしれません。